R152・中央構造線ツーリング
【プロローグ】
今年はまだ昨年のようなロングツーリング(注:私の中では500kmを越えるとロングツーリング。それ以下だと普通のツーリング、100km以下だとショートツーリングに分類されています。)に行っていないことに、イヤになるほど走るというのをしたくなっていました。
そこでどこを走るか考えているときに、今年のテーマである「行ったことのない道を!」と考え、ふと浮かんだのが今回の中央構造線を縦断する、国道152号を諏訪から海まで駆け抜けていくことでした。
長い間バイクに乗っていますが、この道を走るのはまさに今回が初めて。
他方で国道152号線は「分断国道」として有名でもあり、けっこうイメージ的には過酷そう。
ということで、当初は国道152号の始点である上田市からのスタートを考えたのですが、とりあえずということで、中央構造線沿いである諏訪からのルートをチョイスしてみました。
その昔、高遠藩が他領との境に杭を打ったことからその名前がついたそうですが、最近では「ゼロ磁場」であるとして、パワースポットとしても人気があるようです。
そのためなのか、狭い1.5車線路なところも多くあるため、休日は交通規制がかかるようで、シャトルバスもでているようでしたが、バイクなので、そのまま行ってしまいました。
とうげからは、遠く中央アルプスの方まで見渡せ、とても展望が良く、今日の天気が良いこともあって、とても気持ちの良い眺望に、さい先の良さを感じたのでした。
【地蔵峠】
次の峠が「地蔵峠」です。
写真のように、峠にお地蔵様のほこらがあることから、この名前がついています(ほこら自体は、車道から10mちょっと入ったところの尾根筋にありますので、お参りするには一度バイクから降りる必要があります。)。
国道152号線ですが、この地蔵峠から先は未開通のままとなっており、蛇洞林道によって迂回することができます。
とはいっても、北側から走っていった感じでは、特にここから先が国道…ということもはっきりせず、シームレスに林道に入っていきます。
【紅葉のステンドグラス】
それにしても、今日は天気がすごく良く、少し色づき始めた紅葉の感じがとっても綺麗です。
特に、舗装林道ですから、少々荒れたところもありますが、基本的にはconcours14でも十分問題なく走れる路面コンディション。
時折見える展望と、走りの紅葉の綺麗なトンネルを抜けていくのがこんなに気持ちの良いものだとは思いませんでした。
見上げると、青い空をバックに、光をすかした木々の葉がまるでステンドグラスのよう。
この写真ではタイミング悪く緑だけですが、場所によっては紅葉していたりしますので、黄色や赤、そして緑と様々な色のシャワーが降り注いでくるようです。
この気持ちよさ…
オフ車の人たちが好んで林道に入っていくのが分かるような気がします。
【兵越峠】
分断国道=国道152号の2つめの未開通部分が青崩峠の部分です。
ここは、中央構造線の破砕帯にあたり、崖崩れが多いなど道路建設が結局できなかったことから、未だに分断されているのです。
しかしながら、未開通部分手前から分岐する兵越林道によって連結されているために、通り抜けることができるようになっています。
その兵越林道にあるのが「兵越峠」です。
ここは、長野県と静岡県の県境にもなっており、その昔、武田信玄が上洛の際にこの峠を越えたためにこの名前がついたとのこと。
この兵越峠では、1987年から、毎年10月第4日曜日に、信州軍(長野県飯田市)代表と遠州軍(浜松市天竜区)代表が集まり、綱引きを行い、勝った方が1m県境をずらすことができるという行事を行っているとのこと。
今年は10月24日に行われ、信州軍の勝利に終わり、1m遠州側に領土を拡張することができたそうです。
この日も、つい先週行われたばかりの新しい国境標識が建てられていました。
もちろん、実際の法律で定められた県境が変わるわけではないのですが、信州側は「信州にも海を!」を合い言葉に取り組んでいるそうで(海までは67kmですから、約6万7千回「連勝」する必要があります!)、こういうノリ、私は大好きです!!
【草木トンネル】
林道を降りていくと、いきなり綺麗な道になります。
ココが国道473号線、三遠南信自動車道という高速道路になるはずだった区間です。兵越峠の下の地盤が脆弱であることが分かったことから、高速がルート変更になり、一般国道に格下げになったというかわいそうな道でもあります。
この高速道路になるはずだった区間に入ってすぐにあるのが「草木トンネル」です。
もちろん高速道路になるはずでしたから高規格道路、道幅も、施設もとっても綺麗。
で…皆さんは高速道路のトンネルの施設ってどうなっているか興味ありませんか?
私はむちゃくちゃ興味がありました。
でも、当然、興味本位で高速道路のトンネルの途中で止まるなんてこと、道義的にはもちろん、そもそも危なくてできるはずがありません。
しかしっ!この草木トンネルは、かつては高速道路でしたが、今は一般国道です。おまけに交通量もほとんど無いに等しい国道です。歩道だってあるんです。
となれば止まってみたいと思うのは当然でしょう。
えぇ、えぇ。もちろん止まってみましたとも。
非常用電話ボックスは今もありましたが、電話そのものはありませんでした。
で、私を呼んでいるのが…この非常口。
ついつい手をかけてみると…。
なんと、非常口は今も開きます!(1.3kmもあるトンネルですから、非常用施設が必要なのは、いまでも変わらないんですけどね)
ということで、ちょっとだけ探検をしてみました。
へぇ…こうなっているのか。。。
あの水の音は…ほほう!こういうのかぁ!
う~ん、奥が深いなぁ。。。
と、しばらく探検。
もし興味のある方がいらっしゃったら、ぜひ草木トンネルを訪れてみてください。
ただし、停車等安全には十分に気をつけてくださいね。
また、もし入って怒られたとしても、私は一切責任を取りません。あくまでも自己責任でお願いします。
【山住峠】
草木トンネルを出るとすぐに再び国道152号と合流します。
しばらくそのまま国道を下っていたのですが、ふとツーリングマップルに「展望の良いスカイライン」と書かれた道があったのを思い出しました。
そこで左折して県道389号に。
これはこれで大正解。山は始まった紅葉がとても綺麗で(しかも少し傾いて柔らかくなった日の光が当たったところはとても綺麗)、林道ですから、国道ほどの走りやすさはないけれど、とっても雰囲気があって正解でした。
上り詰めたところが山住峠なのですが、ここには、こんな林道のや真ん中になぜ?というような大きな神社があり、びっくり。
神社の解説版を読むと、709年に創建され、徳川家康との関係も深いなどとかなり由緒正しい神社です。しかも山犬(=狼)信仰の神社ですので、狛犬もなんと山犬。この子もけっこうかわいかったです。
偶然入った神社とかが、「実は…」っていうのはなんか得した気分。
参道の前にはちょっとした食べ物屋さんがあって、ヤマメを焼いていましたので、参拝後にいただきましたが、とっても美味しかったです!やっぱり炭焼きの魚は美味しいですね。
【天竜の森中央駐車場】
で、やってきたのが、天竜スーパー林道。
天竜スーパー林道は、山住峠よりも北の水窪ダムから、山住峠を経て、竜頭山・秋葉山と南アルプスの尾根沿いをつなぐ林道です。
道沿いの木が高いので、伊豆スカイラインとかビーナスラインのように大展望が開けて、とはいきませんが、それでも所々で見える南アルプスの山々の情景は雄大なモノがあり、確かにツーリングマップルにあるように気持ちの良い道でもありました。
秋葉山をすぎて下りていくとこれまたとんでもなく大きな神社=秋葉神社がありましたが、今回はちょっと急いでいたのでパスをし先を急ぐことに。
【天竜川河口】
その先を急いだ理由がこれ。日没を天竜川河口で見たいというのがあったからです。
しかし、残念ながら天竜川沿いの道を走っているとき、あと数キロというところで日没になってしまいましたので、残念ながら河口そのもので日没を見ることはできませんでしたが、それでも夕焼け空を見ることができました。
【わんこ丼+桜エビのかき揚げ!】
長かった国道152号を使った、フォッサマグナを行くツーリングも終わりです。
帰りは下道で遠州灘を走ろうかとも思いましたが、やはりここから東京まで250kmということを考えると、一気に高速を使って帰ることに。
途中富士川SA夕食を食べました。
食べたのは写真の「わんこ丼」に桜エビのかき揚げを追加したTaku.Minオリジナルセット。
「わんこ丼」は、生の桜エビ丼と生のしらす丼それぞれミニサイズに海藻の味噌汁がセットになったモノ。また追加の桜エビのかき揚げも、これまで食べたことがないようなふわふわサクサクなかき揚げで、どちらもとっても美味!
両方ともとても美味しくいただきました。
【エピローグ】
今回は、延々と舗装林道を走りまくるという、これまでにないツーリングになりました。
最初は飽きるのかなぁ…とか、イヤになるのかなぁ…と考えていたのですが(ヤビツ峠の時の例もありますし…)、走ってみれば天気が良かったことや眺望が良かったこともあったのでしょうが、とても気持ちよく走ることができました。
もちろん、舗装されているとはいえ林道ですから、道幅も狭く、コーナーの先の見通しがきかないところがほとんどですので、ペースはほとんど上がりませんし、トコトコという形容詞が一番会いそうな感じです。
いつもの私の走り方からは全然違うのですが、それでもとっても楽しかったのです。新しいツーリングスタイルの開眼?と思うくらい。
まぁそれを支えてくれたのが、相棒のconcours14のおかげでしょう。もちろん大陸弾道弾みたいな走りもできますが、車体がでかくても低重心でバランスが良いので、こういったトコトコ走りでも何ら不安無く走ることができます。
そう言った意味で、相棒の新しい魅力が発見できたという点でも、今回のツーリングは実のあるモノとなりました。
今年、ツーリングにいけるのも後1回ぐらい。
最後のツーリングも、これまで行ったことのないところに行ってみることにしましょう。
本日のデータ
走行距離:約667.1km
所要時間:14時間50分
平均燃費:16.7km/L
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